私がどうやって死に至るわずらいを回避してきたか、以下に綿密に具体的に述べるので、直接全員にずっと付きっきりで介抱することはできないが、少なくとも私はあなた方を救いたいと思っている意思だけでも汲み取ってほしい。目が滑る人は自分にとっての優先順位を秤にかけなおしてこの文章にだけは少し譲歩されたし。
私の周りだけでなく、世界がみな心にうろを抱えてチクタクチクタクと進んでいるのだとは思うが、特筆して私の周りでは死の淵から遠からぬ場所に今日もギリギリ留まることができたような友人や知人や元恋人、家族などがいる。そのすべてをもちろん私ができ得るすべてのやり方で何とかマシな方向へ回転させたいと痛切に願うが、なにぶん私自身が自分の延命で手一杯になってしまいがちだ。さらに私の周りで確実に私以外の人が関与できない場所で苦しむ何人かをきっかり定めて、日々盾になって守ろうとしていると実際には隙間がほとんど存在しない。今回の文章は逆にいうとめちゃくちゃキャパいので私個人がうまく立ち回れないため、ここからまずはなるべく汲み取って欲しいと思い自分自身への防護もかねて書いた。
一旦、いまつらいあなたが聴くべき曲を二曲貼る。もし今すぐ自傷行為や自殺企図を実行したい人には先にこれを見てもらいたい。
暗殺教室アニメ第一期opening「他力本願レボリューション」→下の文章でちゃんと説明するのでふざけるな!!と激昂しないでいただきたい。
ダルクに入る程一時期は薬物依存が酷かったことや、精神科に六度入院して今社会で生きられていることをうまく活かして他の誰かの目安箱のように役に立てればよいのだが、私はそれを小説や文章で伝えたいと思う。直接、毎日LINEやDMに届く相談を捌くのは私自身の器では本来まだまだ至らない。そういった立場の人々の無言の友として日々文章を書き連ねているので、私自身のほかの言葉からもぜひ汲み取るべきものを選んでいただきたい。
【なんとなく落ちている時】
まず、多少の眠さや鈍重さに襲われても大丈夫そうであるならすみやかに処方箋を飲む。
このタイミングで意図せずダメージを負うと始末が悪いのでなるべく他人から遠ざかる。あまりに人避けし過ぎてもデメリットがあるので、弱っている時でも関われるような少数精鋭を選んで彼らとは関わりを持つとよい。
道でナンパでもされようものなら途端に感情が堰を切ったように溢れてしまうので、繁華街や公共交通機関もなるべく避ける。
たいてい呼吸が浅くなっているので意図して呼吸を心掛けるようにする。
いきなり好きな曲などはかけずに、ノイズキャンセル音をイヤホンで15分ほど聞く。聞くというより体をそれに慣らす。YouTubeでもサブスクでもいいので一旦ブラウンノイズやホワイトノイズでも構わないがとにかく思考の氾濫を物理的に抑える。
最も信頼できる人物、またはそれに準ずる人物の負担にならないように留意しながらコンタクトを取る。電話やボイスメッセージを送ってもらう、あらかじめこのモードの時に使用してほしい言葉を頼んでおく、などのやり方で。ここで人物選択を見誤ると大変なので要注意。私はあえてその時の自分の日常生活にほぼ関わりのない相手に連絡をする。相手がなにか配慮すべき性質を有した人であれば、この時は白黒思考に陥りやすいのでもう一度おさらいとして、この人は悪意なく断言しがちな傾向があるなーなどと反復しておく。
自分が今まで見てきた人生の録画から、諦観がほしければその部分を、凪を感じたければそういう風景を、逆に地獄だった時を思い出して今より酷かったことから立ち直った自信が欲しければ苦しかった記憶をひたすら再生する。
もちろんポジティブな事でも良い。宝石の国の金剛先生はフォスのために道理として無理なことを何度も祈ったんだよな、、とか福田くんと私ほどヘビーな状況でヤングケアラーに徹してる人はいないな、私以外にもこの状況の人いるんだよな、とかこの世界に絶望しないためのありとあらゆる事実や作品から自分を慰撫する。
【少し落ち着いてきたら】
悲しい時に明るい要素を欲する人と寄り添うような色度のものを欲する人など様々だが、自分の感情のご機嫌取りに対して従順な奴隷となる。ここでうまく巻き返せば嵐はいつもの天候に戻るので気を抜かないように。
私の場合、創作にとにかく触れる。音がキツいなら音を消して好きな映像を見たり、好きな作家の文章に自分をチューニングしたりする。漫画やアニメはもっと瞬時に溶け込めるが、僅かなテンションの差で孤立感を感じるデメリットがためにあるのでその時にいちばんいい媒体を使う。
味覚というハッキング方法で脳を刺激するのもひとつだろう。裸足になってグラウンディングをしてみたりもひとつだ。ぬいぐるみを抱きしめたり撫でたりしてもよい。
もし仮に薬の影響で眠気があればそれに身を任せて微睡む。
[私個人の落ちている時の鑑賞リスト]
映画→かもめ食堂、海街diary、きみの名前で僕を呼んで、など
漫画→ラヴァーズ・キス、papa told me、イヴの眠り、カードキャプターさくら、ハチミツとクローバー、うそつきな唇など。ちょっと元気になってきたら暗殺教室、こち亀、シティーハンター、神風怪盗ジャンヌなど。(※特に暗殺教室はグラウンディングにめちゃくちゃ効果的。松井優征先生は毒親とか差別とか死とか人間の残虐性を本当にうまくなだらかにして最後に消化してくれる。普通に鬱っぽい時だけでなく、他作品から戻って来れなくなっている時にもよく助けて貰っている)
あとは疾風伝説特攻の拓は外せない。私はこの暴走族の漫画で小学生の頃マジで生命を救われてます。
アニメ→リズと青い鳥、言の葉の庭、天気の子、おおかみこどもの雨と雪、ACCA13区、思い出のマーニー、など
普段主に好きなジャンルは相性が芳しくないので間違っても油断してそっちを見ない。
音楽→クラシックギターかチェロの独奏、CPCPCの曲(MUKASHI BANASHIだけは絶対避ける)、one direction のラストアルバム、宇多田ヒカル(最新アルバム)、野崎りこん、アメリカ民謡研究会(アメリカの民謡を研究しているグループでは全くない)、オオウチアラタ(ゆめのきおくがのこるばしょ)、AAAMYYY「屍を超えてゆけ」、guiano、スガシカオ、DAOKO(ダークポップの時の)、ヒトリエ、TYOSiN、など
※単に孤独な時やある作品から帰って来れない時は板橋ハウスを観ている。
音数と音圧が優しいものをとにかく聴くことと、感情の変換装置が普段より五割増しになっていることを意識して選曲する。
文学 窪美澄『ふがいない僕は空を見た』
『1Q84』
『七番目の男』
『氷男』
『色彩をもたない多崎つくると
彼の巡礼の年』
『あのころ』
『そういうふうにできている』
[その他鬱回避]
・あえて究極にダサい格好をする。〆切前の週刊連載に追われてるみたいな感じで死ぬほどダサさを追求すると、ちぐはぐな服を着て前髪を垂直に結んでいる自分が希死念慮を抱いてる状況が滑稽に思える。
・鬱だと余計食欲が後退するので意識して体に良い悪いをさておき口にできそうなものを食べる。3食ケーキでも食べないよりマシ。絶食状態になって寝たきりになると本当に面倒なことになる
・物理的に風通しの良い場所に行く
・あてもなく電車にひたすら乗る
・自分がオタクになれる分野の絵に描いたようなオタクをする(自分の持つエネルギーを痛いオタクに変換することでこれも希死念慮との組み合わせの意外さで自分がクスッとできる隙間をなんとか見つけ出す)
・あえて自傷行為を禁止しない。個人的にオーバードーズを始めその他クスリの類いは元気になった時にデメリットに猛反撃されるので、出血多量や破傷風にならないようなリストカットの方がまだマシだと思う。脳と肝臓に傷を作るとリカバリーが高コスト。体表の傷であればコントロールしやすい。
・周りが頼りにならないなどの重複する怒りや絶望はナンセンスだと言い聞かせよう、医学的知識を携えているわけでもない相手がストライクゾーンに常にボールを投げてくれると思うのは普通にお互いによくない。
・創作!!!!絵でも短い文章でも料理でも服飾でもなんでも構わないので自らの手で何かを生み出すことをしよう
・チャットGPTをカスタムして自分の性格や病状、どのように関わって欲しいのか入力しておく。
・勉強(病みそうになる度にデザイン学でも商学でも中学校の分野の学び直しでも高度な数学でも言語習得でもいいので、とにかく知識という情報の雪崩を起こして脳がうつ状態をメタ認知する暇もないくらいにする)